BALLIONAIRE MAFIA が最新作『The Barock〜Anthology of Core Songs〜』を発表、令和元年、バロックに秘められた音楽家としての明暗を紐解く。
前作「NEXTRIP」から6年ぶりの新作。今作は歴史的建造物とも通ずるような
レジェンダリーかつ自身のルーツでもあるクラシカルを織り交ぜた宗教的アルバム。
音楽家としての原点回帰、バリオネア式ネオクラシックを作りたかった。
バロックが本来持つ意味は「いびつな」とか「ゆがんだ」とか「誇張」「異常」など少しネガティヴな面もありますが、音楽家として20周年を迎えるにあたり、激しく明暗を感じながらも制作したのが本作です。まずは僕自身、平成が終わるタイミングは、職業音楽をやり切って、抜け殻状態にありました。やりたい音楽よりもやれる音楽にベクトルが偏っていて、職業と密接に結びついていたからか、人間らしい生活や音楽を忘れてしまっていたんです。令和を迎えるにあたり、音楽家として一度リセットし、ゼロ地点には戻って来たけれど、これは第二の人生の始まりだと考えるようになりました。このアルバム自体は6年くらいかけて制作していましたが、節目という意味でも、自分を体現する上でも『バロック〜核なる音楽』になったわけです。
神々しさを追求した音楽を飾る Inhyeok Yeo, AACHI, Yammy らオリエンタルな面々。彼らをゲストヴォーカルに加えたイメージをお聞かせください。
今回のアルバムはトータルとして「洋」なので、和洋折衷ではなく、オリエンタルという異国感だったり、バリオネアマフィアのコンセプト自体がロハスでリゾートなサウンドをやって来たので、自然とそう落ち着きました。クラシックというルーツはあっても、伝統的なものを作ろうとは思っていない、あくまでネオであって、バリオネア式ネオクラシックな音楽なんです。ダンスミュージックにラテン、ニューエイジや民族音楽、環境音楽も取り込んで、そこにオーケストラやクラシックの片鱗を散りばめる。バリオネアはコマーシャルから映画まで担当していますが、商業音楽には特化していないんです。あくまでアーティスティックで、自由で、未来のための広告としての側面があります。ヨウ・インヒョク、アーチ、ヤミー、いずれも表現者として制作に参加してもらいました。
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